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産後の抜け毛はいつからいつまで?原因と対策を医師が解説
2022.10.25
ヘアケア
女性の体に大きな変化を与えるライフイベント、妊娠と出産。家族が増えるうれしいイベントである反面、女性にとって産後は自身の体調や肌をはじめ心身のコンディションに変化が出やすく、不安に思うことも多いはずです。
今回は、その中でも多くの方が戸惑いを感じがちな“抜け毛”をはじめとする、頭髪の変化についてMET BEAUTY CLINIC院長の福山千代子先生に伺いました。
産後の抜け毛に不安だったママは多い!
「今まで経験したことのない毛量が抜けることに驚いた」という女性はとても多いようです。実際、産後の先輩ママたちは“抜け毛”を経験したとき、どんなことを感じていたのでしょうか。
LICOLOメルマガ会員さまへ産後の抜け毛体験について聞いてみました!
かかさん(40代)
ただでさえ片付かないのに部屋が髪の毛だらけ。赤子の手に髪の毛が何本も握られててストレスマックス!
きりりさん(40代)
抜け毛は産後3ヶ月くらいから始まりました。洗髪してもドライヤーしてもごっそり抜け寝具やフローリングなど常にコロコロで掃除してました。どんどん薄くなっていくので髪を洗いたくないと思ったり帽子で隠したりしてました。そのうち元に戻るとわかってても夫やママ友に気づかれないかヒヤヒヤした。
バクさん(40代)
フローリングやお風呂の排水溝に、恐怖映画並みに抜け毛があり、自分でもギョッとしました。このまま抜けきってしまうのではないかと、かなり不安になったのを覚えています。
明石さん(40代)
お風呂に入る度泣きそうになりました。日常生活でもはらっと落ちるのでショックでした。
先輩ママたちも、産後の抜け毛には不安やショックを感じたようです。今、抜け毛で不安になっているママさんも自分だけではないので少しでも安心してもらえると嬉しいです。
産後の抜け毛はなぜ?原因は女性ホルモン?
産後に起こる脱毛症、いわゆる「産後脱毛症」「分娩後脱毛症」はなぜ起こるのでしょうか?
ホルモンバランス
福山先生によると、産後の抜け毛は主に女性ホルモンの変化が原因。
髪の毛の成長や毛周期には “エストロゲン”という女性ホルモンが大きく関わっており、妊娠中はこの“エストロゲン”が一時的に多く分泌され、この期間は毛が抜け変わるサイクル“毛周期”が長く保たれています。しかし産後は、このエストロゲンが減少して通常の量に戻るので、毛周期も元に戻り、毛髪の抜け変わりのサイクルが短くなるため抜け毛が多くなるのだそう。
福山先生
エストロゲンの分泌量が減ることにより、髪の毛が細くなるという実感をする方もいらっしゃいます
ただ、これは言い方を変えればエストロゲンの分泌が盛んな妊娠期は、本来の毛周期やヘアボリュームではなかったということ。妊娠中に抜け変わるはずだった髪の毛が、エストロゲンの分泌が通常通りになったことで遅れて抜けているだけなので、過剰に心配することではないそう。
福山先生
体が妊娠前の状態に戻っていく過程で、多くの方が経験します。産後の女性全員に起きるとは言い切れませんが、私の実感では8〜9割くらいの方が産後脱毛を経験されているのではないでしょうか
ストレス
産後すぐは授乳や慣れない育児で自分が思っているよりもストレスを感じて、今までとは違う生活サイクルで体に負担がかかっていることも。
福山先生
抜け毛の主要因は、エストロゲン分泌量の変化からくるものですが、こういった心身のストレスも多少寄与しているかもしれませんね
抜け毛はいつからいつまで?ピークは?
一時的な抜け毛だとは分かっていても、髪の毛がどんどん抜けていくのを見ながら、これは一体いつまで続くの? という不安に駆られる人も多いはず。産後の抜け毛はいつごろから始まり、どれくらいの期間続くものなのでしょうか。
福山先生
抜け毛が多くなったなと実感するのは大体産後1〜2カ月くらい経ってからだと思います。そこから半年くらいは、産前には経験したことのないような量の抜け毛があるかもしれませんが、この状態がずっと続くわけではありません
女性ホルモンのバランスが安定する半年から1年以内くらいには、抜け毛の量が減ってくるとのこと。 いずれにしても抜け毛の量に過敏になりすぎたり、必要以上に不安を抱えたりすることはありません。
福山先生
その心配がストレスになり、抜け毛の量に影響を及ぼすこともあるので、生理現象の一つだと思って抜け毛が終わる時期を気長に待ってみてください
産後の抜け毛対策は?
産後の抜け毛はホルモンバランスの変化によるものなので、自然に抜け毛が終わる時期を待つこと、抜け毛自体を不安に思いすぎないことが、一番の抜け毛対策と言えそうですが、それでも何か少しでも髪の毛によいことをしたいと思いますよね。産後の抜け毛を経験したことのある先輩ママ達は、産後脱毛期にどのような対策をしてきたのでしょうか?
きいてださん(40代)
頭皮のマッサージや洗い流さないトリートメントなど髪のケアをしました。
カオリさん(30代)
トリートメントをつけて、髪を絡みにくくしておくことで抜けないように対策していました。
ずうちゃままさん(30代)
髪にいいものを食べていました。赤ちゃんに手がかかり食べなくなった魚や海藻、野菜をよく食べるようにして、なるべくよく眠るように心がけました。
のんのんさん(30代)
寝る時にナイトキャップを被って寝ていました。
先輩ママ達のアドバイスを踏まえ、LICOLO編集部からは知っておくと役に立つ対策を4つご紹介します。
抜け毛対策1:髪によい栄養素をとる
健康な髪を維持するための3つの栄養素、タンパク質・ミネラル・ビタミンを積極的に取り入れたいですね。
毎日の食事で、肉類、野菜、海藻などをバランスよく摂ることが髪の健康にも繋がります。
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抜け毛対策2:水分をとり、血行促進
頭皮の代謝を上げるには、水分をとることもお忘れなく。成人が1日に必要な水分量は、スープ類やジュース、お茶も含めた上で2〜3リットルとされているそうです。無理のない範囲でこまめな水分補給を意識しましょう。
抜け毛対策3:質のよい睡眠
産後は授乳もあり、まとまった睡眠時間の確保が難しいという方も多いと思いますが、睡眠中は成長ホルモンが分泌される時間。可能な範囲でしっかり睡眠をとりましょう。就寝前の食事やスマホ操作は、睡眠の質を下げてしまうので避けたいですね。
抜け毛対策4:過度な産後ダイエットは控える
女性ホルモン「エストロゲン」は、ダイエットをすると分泌が減少すると言われています。髪の毛のためにも、体のためにも過度な産後ダイエットは控えた方がよさそうです。
産後のカラーはいつから?脱毛期に試したいヘアスタイル
慣れない子育てをする中でも、できる限り美容には気を配りたいという方も多いのではないでしょうか? ヘアスタイルを変えることや白髪染めなど、ヘアサロンで自分のために使う美容の時間は、子育ての合間の気分転換にもなるかもしれません。
産後のヘアカラーは大丈夫?
福山先生
ヘアカラー剤が母乳に影響することはないと考えますが、ご自身の頭皮や頭髪の負担のためにも大量に抜け毛がある時期にはヘアカラーは避け、抜け毛が落ち着いてきた時期から楽しむ方がよいのではないでしょうか。
カラーは頭皮や頭髪が落ち着く時期を待って、抜け毛が気になる時期は、ヘアアレンジやスタイルチェンジで、大胆にイメージを変えてみましょう。LICOLO編集部おすすめのヘアスタイルをご紹介します。
ショート・ボブにおすすめのヘアスタイル
髪がハネやすいショート・ボブヘアの方は、分け目を変えたりオールバックにしたりすることで透ける頭皮や短い髪もカモフラージュできます。また、外出時には帽子を被るのもおすすめ。気になる髪の毛のボリュームダウンもカバーできますし、産後特に敏感になっている肌への紫外線対策もできて一石二鳥です。
セミロング・ロングにおすすめのヘアスタイル
セミロング・ロングの方は、産後の脱毛期にはポニーテールをするのがおすすめ。頭皮に負担をかけないように、ざっくりとポニーテールをすることで髪にボリューム感を出すことができます。
また、ショートやボブヘアへのスタイルチェンジに挑戦してみるのも一つ。シャンプーやヘアドライ、スタイリングの時間もぐっと短縮できるほか、抜け毛がひどいときでも床に落ちたときの毛がロングよりも目立たず、気になりにくいというメリットもあります。
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生え始めの短い毛が気になる場合のヘアスタイル
髪の毛の生え変わりでツンツン、ピョンピョンと立ってしまう短い髪は、幅が広めのヘアバンドやターバンを使ったヘアアレンジがおすすめ。お洋服に合わせて、ヘアバンドやターバンを選ぶのも楽しい気分転換になります。また、お洋服のリンクコーディネートをするのはちょっと恥ずかしくても、ターバンやヘアバンドの色をさりげなくお子さんの洋服の色にリンクさせてアクセントにするなどの楽しみ方もありそうです。
また、生え始めの短い毛を抑えるためにまとめ髪・アホ毛スティックを持っておくと便利です。
MieuMieu(ミュミュ)エスティックはオーガニック認証アルガンオイル(※)・ヒマワリ種子油配合で肌にうるおいを与えつつ、練り香水として好きな香りをいつでも楽しめます。※ アルガニアスピノサ核油
サラサラな使用感でありつつ、アホ毛・前髪・おくれ毛をしっかりまとめて、スタイルキープも叶えるマルチスティックです。リップ形状のためポーチにも入れやすく、持ち運びにも便利です。
練り香水×まとめ髪・アホ毛スティックとして使える
福山先生も教えてくださった通り、産後脱毛症や分娩後脱毛症は、女性ホルモンが妊娠期から通常に戻るために多くの人が経験することです。過剰に不安にならず、気になる場合はヘアスタイルを変えるなどしてみることが、抜け毛とうまく付き合っていける秘訣かもしれません。
監修
MET BEAUTY CLINIC院長
日本産科婦人科学会専門医
福山 千代子先生
金沢医科大学医学部卒業。美容医療×婦人科だからこそ取り組むことができる、女性のための提案を行っている。
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