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髪に良い食べ物とは?抜け毛・薄毛・白髪は食生活で予防・改善!
2022.12.14
ライフスタイル
「最近、髪が薄くなってきた」「抜け毛が多い」「ツヤがない」そんな髪の変化に気づくとショックですよね。年齢や季節のせいと諦めてしまいそうですが、実は、食事が原因の場合もあるそう。今回は、薄毛や抜け毛、白髪などを予防するための、髪にいい食生活について、管理栄養士の平山愛子先生に解説していただきました。
髪にいい10個の栄養素
体型や体調が食べ物によって変わることと同じように、髪も食べ物によって状態が変わります。みなさんは、髪の健康を維持するために欠かせない、主な10個の栄養素、ご存じですか?
これから紹介する10個の栄養素、それぞれの役割が相まって、髪は育ちます。一つ一つの役割を紹介していきます。
タンパク質
髪のほとんどは、ケラチンというタンパク質でできています。タンパク質が不足すると、髪のハリやコシ、ツヤがなくなったり、パサパサしたり、うねりの原因になります。そのため、タンパク質を積極的に摂ることが、髪の健康につながります。ケラチンは、18種類のアミノ酸で構成されますが、体内では作れないため、食べ物から補うことになります。
ミネラル
ケラチンを生成するためにはミネラルが必要です。ミネラルの中でも特に、亜鉛は欠かせません。亜鉛には、髪を黒くするメラニン色素を作ったり、メラニンの合成をサポートしたりする役割があります。亜鉛を積極的に摂ることで、白髪の予防になります。
亜鉛
亜鉛は、タンパク質の組織をまとめているアミノ酸を、髪の主成分であるケラチンの合成を助ける役割も持っています。また、薄毛の原因をつくる5αリダクターゼを抑制する働きがあります。5αリダクターゼは、男性ホルモンと結合することで脱毛につながるため、AGA(男性型脱毛症)クリニックなどでの治療でも着目されています。牡蠣、カツオ、サバなどの魚介類に多く含まれます。
ビタミン
・ビタミンB
タンパク質から髪を作るために働くのが、ビタミンBです。ビタミンBには、ビタミンB1、B2 、B6、B12の他、ナイアシン(ビタミンB3)、パントテン酸(ビタミンB5)、ビオチン(ビタミンB7)、葉酸(ビタミンB9)の8種類があり、お互いに働きをサポートし合っているため、バランスよく摂取することが大切です。
・ビタミンA、C、E
ビタミンAは、頭皮を健康に保つ役割があります。ビタミンCはタンパク質と結びつくことでコラーゲンになるなど、髪はもちろん体全体の健康づくりに欠かせない万能栄養素です。ビタミンEは、髪の毛や頭皮に栄養を行きわたらせる働きがあります。
大豆イソフラボン
大豆イソフラボンは、男性ホルモンと結びつくと抜け毛の原因になる5αリダクターゼを抑制する働きがあります。女性の場合、一般的に男性ホルモンより女性ホルモンの量が多いため、男性より脱毛しにくい傾向があります。大豆イソフラボンは、女性ホルモンに似た働きをしますので、たくさん摂ることで抜け毛ケアになります。
ヨード
別名、ヨウ素ともいいます。髪の毛の主成分となるケラチンというタンパク質をつくり、髪を育てます。新陳代謝を高める効果があるため、髪が毛細血管から栄養を取り入れやすくなります。ヨードは、昆布やわかめなどの海藻類に多く含まれます。
EPA(エイコサペンタエン酸)
イワシやサバ、アジなどの青魚に多く含まれ、血液のめぐりを良くする働きがあります。血液のめぐりが良いと、頭皮の血行がよくなり、髪に必要な栄養を毛細血管までしっかり運ばれます。体内では作れないので、外から摂る必要があります。
コラーゲン
コラーゲンは、タンパク質の一種です。美肌成分でおなじみのコラーゲンですが、頭皮も肌の一部なので、顔と同様に頭皮環境を美しく整える役割をします。30種類近くあるとされるコラーゲンの中でも、特に17型コラーゲンは、毛を作る細胞を生み出す「毛包幹細胞」が髪を作るときに傷ついたDNAを修復します。手羽先や骨付きの魚を煮込むとできる煮凝りは、コラーゲンが骨から溶け出たものです。
カプサイシン
カプサイシンは、唐辛子などの辛さをもたらす成分で、血行促進に役立つ栄養素です。血行を促進して新陳代謝が高まれば、毛根に多くの栄養を届けられます。唐辛子を使ったキムチやカレーなどの料理から摂ることもできます。
乳酸菌
乳酸菌といえば腸活のイメージですが、腸の健康は髪の健康にもとても重要です。髪に届けるための栄養を吸収する場所が腸だからです。栄養を頭部までしっかり届けるパワーを生み出すためには、善玉菌を増やすことが必要。納豆や味噌などの発酵食品、ヨーグルトから摂ることができます。
栄養素を多く摂れる食べ物は?
髪の健康には10個の栄養素が役立つことが分かりました。では、これらの栄養素を摂れる食べ物は何でしょうか。
牡蠣
数ある食材の中で、牡蠣は亜鉛の含有量がダントツ! 亜鉛は、髪の主成分であるケラチンをつくる働きを助け、AGAの原因にもなる5αリダクターゼの活動を抑えます。抜け毛予防と髪の育成の両方にいい食品です。ただし、亜鉛は摂り過ぎると銅の吸収を阻害して貧血の原因になるので、ほどほどに。
豚レバー
牛や鶏のレバーに比べて亜鉛が多く含まれます。亜鉛が髪の主成分であるケラチンを合成するために働き、健康な髪をつくります。ビタミンやミネラルも豊富で高タンパク・低脂質なので、髪にいいさまざまな栄養素を一度にたくさん摂ることができます。
納豆
納豆には、大豆イソフラボンが含まれています。大豆イソフラボンは女性ホルモンと似た働きをして男性ホルモンを抑制するため、男性ホルモン増加による薄毛を防ぐことができます。納豆が苦手な場合は、大豆やきな粉でもイソフラボンを摂れます。
卵
卵は、完全栄養食といわれるほど栄養価が高い食品です。タンパク質・亜鉛・ビタミン(C除く)・ミネラルなど、髪の悩みにいい栄養素が多く含まれています。特に卵黄に含まれるビオチンは、タンパク質をつくるために働くアミノ酸の結合作業を助け、髪を育てます。髪だけでなく、肌や爪の健康にも役立ちます。
ナッツ
ナッツには、タンパク質やビタミンやミネラル類が豊富に含まれています。アーモンドに含まれるビタミンEには血管を広げる働きがあります。血管が広がれば血液の流れがよくなり、頭皮に栄養が届きやすくなります。また、食物繊維が多いので、腸内環境を整える働きも期待できます。ナッツ類を1度に食べる量は、片手のひら一杯が目安です。
鶏むね肉
鶏むね肉に含まれるメオチニンというアミノ酸が不足すると、抜け毛や薄毛の原因になります。鶏むね肉は良質なたんぱく質で低脂質なので、髪だけでなく体全体の健康と美を目指すときにも役立つ食品です。調理時には、美の大敵である油・塩・白砂糖を使い過ぎないよう注意しましょう。
キムチ
キムチに使う唐辛子に含まれるカプサイシンが血行を促進して代謝を上げ、髪に栄養を届ける毛細血管の働きをサポートします。また、キムチに入れる野菜の多くはビタミンが豊富。髪の健康づくりに一役買ってくれます。発酵食品なので、乳酸菌も豊富です。
うなぎ
うなぎは、ビタミンが豊富なだけでなく、タンパク質や亜鉛も含まれているので、髪に必要な3つの栄養素がすべて補えます。そのため、髪のハリやツヤ、コシを保つのはもちろん、白髪や抜け毛などの予防にも役立ちます。
緑黄色野菜
緑黄色野菜には、ビタミンAやEを含むものが多くあり、頭皮環境を整えて、働きをアクティブにしてくれます。また、ブロッコリーはビタミンCが豊富で、他にタンパク質やビタミンE、葉酸など、髪の健康に必要な3つの栄養素が揃っています。
海藻類
海藻類は、鉄やヨウ素というミネラルを豊富に含んでいます。ひじきやのりなどに多く含まれる鉄分は、貧血を予防する栄養素で知られていますが、血が行きわたらないと頭皮に酸素が届かず、抜け毛の原因となるため、髪にも必要です。ヨウ素は昆布やわかめに多く含まれ、髪の成長をサポートします。育毛系シャンプーに海藻の成分が使われることもあります。
髪の健康に役立つ飲み物もある!
髪のいい食べ物があれば、飲み物もあります。一緒に摂ることで、より髪の健康に役立ちます。今回は、毎日摂れる飲み物を紹介します。
水
頭皮がきちんと働くためには、健やかな血行が欠かせません。血行は、水を飲むことでスムーズに巡りやすくなります。血行がよければ、代謝も高まります。成人が1日に必要な水分量は2~3リットルとされています。多く感じますが、真水だけでなく、お味噌汁やオレンジジュースなどの水分も含まれます。
豆乳
豆乳には、女性ホルモンと似た働きをもつ大豆イソフラボンが豊富に含まれています。女性ホルモンは、髪の新陳代謝を助けてツヤやハリを生み出しますが、年齢とともに減少します。そのため、イソフラボンは更年期対策にも取り入れられる成分です。豆乳は、そのまま飲んでも料理に加えてもOKです。
緑茶
緑茶に含まれるカテキンには、AGAの原因にもなる5αリダクターゼの働きを抑える効果があります。また、カテキンによる抗酸化や脂肪分解の作用は、細胞の老化を予防して髪に栄養を届ける血流を元気にします。ただ、覚醒作用があるカフェインも含まれるため、摂り過ぎると睡眠の妨げになってしまいます。飲み過ぎに注意しましょう。
ウーロン茶
ウーロン茶にも緑茶と同じくカテキンが含まれ、5αリダクターゼの働きを抑える効果や、抗酸化、脂肪分解作用があります。脂肪分解作用が強いので、油や糖などの体を酸化させる食品や高カロリー製品を食べ過ぎたときは、特にウーロン茶を選ぶとよいでしょう。
ココア
ココアは、悪玉コレステロールの酸化を防ぐカカオポリフェノールが含まれています。他にも、ビタミンやミネラル、食物繊維など、髪にいい栄養素がたくさん。豆乳と混ぜて飲むと、大豆イソフラボンも摂れるので、さらに美髪ケアができます。
髪に悪い食べ物もチェックを
髪の成長を妨げる食べ物を控えることでも、白髪や抜け毛予防ができます。摂りすぎると髪の成長を妨げてしまう食べ物は、ずばり「塩」と「油」。塩や油を摂り過ぎると血液がドロドロになってしまい、せっかくの栄養素が髪に届かなくなります。
ファストフード、インスタント食品
ファストフードやインスタント食品には、一般的に塩分が多く含まれています。塩分を過剰に摂取すると、高血圧や肝臓機能の低下を引き起こして、血行が悪くなることがあります。血行が悪くなれば毛根へ栄養が届きにくくなり、結果、白髪や抜け毛を引き起こします。
スナック菓子、揚げ物
スナック菓子や揚げ物には油が多く含まれています。油を摂りすぎると、皮脂が過剰に分泌され、毛穴を詰まらせてしまう可能性があります。塩分も多く含んでいる場合があるので、過剰摂取には注意しましょう。
髪にいい食生活とは?
食べ物の種類だけでなく、食べる時間やバランスでも髪の健康は変わります。せっかく髪のためを思って食品を選ぶのなら、合わせて食生活も髪ファーストにしてみませんか?髪にいい食生活のポイントを2つ、紹介します。
バランスがいい食事
髪を育む3つの栄養素を見ても分かるように、複数の栄養がそれぞれの役割を担うことで、うまく体に働きかけます。どれか一つの栄養だけをたくさん摂るのではなく、バランスよく食べましょう。よく嚙んで食べると、消化にかかる負荷が減り、頭皮に栄養を送るパワーの余裕が生まれます。
就寝3時間前までに食事を済ませる
就寝中は、成長ホルモンが分泌される時間です。このとき胃に未消化の食べ物があると、体は消化を先に済ませようとするので、成長ホルモンの分泌をする余裕がなくなってしまいます。就寝時までに消化を終わらせるために、寝る3時間前までに食事を済ませておきましょう。
髪に悪い食生活とは?
食べる量や質のバランスが崩れると、体はまず内臓を守るために働き、生死に直結しにくい髪の保護は後回しになります。すると、年齢に関係なく抜け毛や薄毛、白髪になったり、急に髪の毛がうねり出したりしてしまいます。特に注意して欲しい、髪の健康を妨げる食生活を紹介します。
暴飲暴食
食べ過ぎは内臓に大きな負担がかかります。体はまず消化に奮闘しなければならなくなり、せっかくの栄養を効果的に吸収できなかったり、髪の修復にまでパワーがまわらなくなったりして、結果として抜け毛や薄毛、白髪につながります。
過度なダイエット
健康な髪をキープするために必要なホルモンの1つ「エストロゲン」は、過度なダイエットをすると分泌されなくなります。また、ダイエットによるストレスは自律神経の乱れにつながり、自律神経の乱れがホルモンバランスを崩し、髪にも悪い影響を及ぼします。
まとめ
抜け毛、薄毛、白髪、美髪にいい食べ物、悪い食べ物、食生活について紹介しましたが、いかがでしたか?髪にいい食生活は、肌など体全体にもいい習慣ですので、できることから始めてみてくださいね。
監修
管理栄養士 毛髪診断士 美容家
平山愛子さん
日本女子大学にて管理栄養士の資格を取得後、慶応義塾大学大学院にて理学修士取得。細胞学の知識を持つ美容家として、化粧品ブランド「Tocco」を立ち上げる。
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