紫外線の髪・頭皮への影響と日焼け対策を専門家が解説！

このうち、5月ごろの紫外線は肌に急激な影響を及ぼすことのないA波が多いものの、A波は髪のより内側まで届く恐れがあります。
家や車の中にいても窓ガラスを通過して届きますので、気づかないうちに日焼けをしている場合が多いので注意が必要です。

紫外線があたると、髪の中でしなやかさや強さを生み出す“SS結合”というタンパク質同士の結びつきが切られることで、キューティクルが損傷し、さらには髪のダメージに直結します。

髪が日焼けしてしまうと、紫外線でキューティクルが損傷し、さらに髪の内側までダメージは進行するので、乾燥やパサつき、さらに枝毛、切れ毛、まとまりづらさ、ごわつき、ツヤの喪失などが起こりえます。
紫外線の強い季節に、いつもより髪の傷むペースが速いと感じる場合は、髪が日焼けしているサインとも言えるでしょう。

特に、海やプールを楽しむのに絶好の季節である夏は要注意。
髪が濡れているときにはSS結合が断裂して酸化するスピードが早くなり、髪が傷むリスクが増えてしまいます。

実はこれは紫外線の影響ではなく、海中やプール水に含まれていた金属イオンなどが髪の表面に付着することが原因と考えられています。感触が悪くなる＝傷むというわけではないのです。

紫外線によって髪の色素も分解されるのでカラーの褪色が早くなります。

特に赤や黄色の暖色系より、青や緑の寒色系のほうがその影響を受けやすいといわれています。また夏はシャンプーの回数が増えたり、汗をかいたり、髪が濡れる機会が増えますよね？　髪の毛は濡れた状態だと染料が抜けやすくなるのです。

紫外線は薄毛や白髪といった髪の老化の原因になると考えられています。
頭皮は体のてっぺんにあるので紫外線があたりやすい場所。
しかも皮脂腺や汗腺が多く、たまりやすい場所なので、皮脂や汗が時間経過とともに酸化につながりやすいのです。
酸化によって生まれた活性酸素は、大切な色素幹細胞や毛母細胞を攻撃し、薄毛や白髪などのエイジングダメージにつながりやすくなります。

紫外線に当たると、髪の毛というよりは頭皮が影響を受け、間接的に白髪となる可能性はありますが、紫外線が直接白髪の原因となるわけではないようです。

肌と同じように赤みが出てひりついたり乾燥したりします。長期的には薄毛や白髪のリスクは高まります。

お肌だけでなく、髪・頭皮にも日焼け止めを使いましょう。ベタつきが少なくヘアスタイルを崩さないスプレータイプがおすすめです。

いつも同じヘアスタイルでは、分け目の部分だけ日に当たりダメージが集中してしまいがち。
紫外線にさらす面積を減らすためにヘアアレンジやターバンなども有効。
特に傷みやすい毛先は内側にしまうようなお団子的アレンジがおすすめです。

髪の毛はもちろん、頭皮を紫外線から守るためにも日傘や帽子は必須アイテム。
帽子、日傘など物理的に紫外線に当たらないことが最大の防御策。
日傘や帽子は白より黒などダークな色の方が紫外線を通しにくいものの、白であってもかぶらないよりずっといいですよ！

濡れた髪を放置すると、表面を覆うキューティクルが開いたままの状態に。ダメージを受けやすいので、海やプールに入った後はなるべく早くドライヤーで乾かしましょう。

もし日に当たってしまったら、頭皮の保湿をしてください。頭皮用の製品ではなく、顔用の製品を使っても問題ありません。
ただし、脂が出やすい場所なので、乳液やクリームでなく、さっぱりとした化粧水をスプレーするのがおすすめです。

さらに、頭皮に加えて髪のケアも行いましょう。
紫外線はヘアカラーをしたときのような状態になるので、キューティクルを締めて髪を弱酸性に戻すカラー後用のシャンプーを使うのも一案。
また、内部補修をサポートするトリートメントや、ナイトケアなどもスペシャルケアとして取り入れてみては。
ただし、ひりつきがあるようなときは、バリア機能が弱まっている可能性が高いので、洗浄力の高いシャンプーは使わない方が良いですよ。