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Life with Colors〜わたしを彩る色~|Vol.02 姫さん
2023.10.04
ライフスタイル
私たちLICOLOが考える“心からの豊かな美”を実現している方々にインタビューをおこなう連載企画「Life with Colors」。
第2回にお招きした姫さんは、最近Instagramでフォロワー数が急増中のインスタグラマー/主婦です。
姫さんはもともとモデルやタレントとして活躍していたことがあり、現在はInstagramで被写体としての活動やご主人との日々の様子を発信しています。
そんななか、49歳の誕生日にご自身の髪について告白した内容が大きな共感を呼ぶことに。
パープルとグリーンがグラデーションを描くヴィヴィッドヘアカラーだけでなく、ファッションも個性的でチャーミングな姫さんですが、ご自身が掲げている「歳をとるのが楽しくなる」という考え方にたどり着くまでの道のりは決して平坦ではなかったそうです。
Life with Colors〜わたしを彩る色~|Vol.02
インスタグラマー/主婦
姫さん
1973年生まれ、東京都出身。短期大学在学中に芸能事務所にスカウトされ、モデルやタレントとして活躍。その後、音楽活動を通じて出会った現在のパートナーと結婚。仕事と主婦業のかたわらで被写体として創作活動を続け、2023年9月現在、Instagramのフォロワー数は4.8万人超。Instagramのアカウントにアップする写真はパートナーの殿(@deadball1969)さんが主に撮影を担当。
- 目次
「シャイだけど人前に出るのが好き」
モデル、タレントとして活躍した20代
——姫さんの素敵なファッションとライフスタイルが共感を呼んでいますが、幼い頃からファッションへの興味が強かったのでしょうか?
姫さん
ファッションは母の影響が大きいかもしれません。小学校のころから今とほぼ同じくらいの身長だったので、母の服を着ることがよくあったんです。私のために服を仕立ててくれたこともあり、それが今の好みに通じているんだと思います。
Instagramをはじめたきっかけも、最初は日々のコーディネートをアップするのが目的でした。
当時、世界中で開催されていたInstagramのイベントに行ったのを機に、他のフォトグラファーの人たちと交流する機会が増えて、被写体としても活動するようになったんです。
本当は緊張しいの性格で、子どものころは授業中に手をあげるのも嫌なくらいだったんですが、なぜか人前に出ることは好きでしたね(笑)。
——SNSに載せているポートレートはどれも自然体なので、実はシャイだとは思いませんでした。
姫さん
写真を撮られるのは昔から好きだったんです。物心ついてからはファションモデルに憧れるようになって、短大生の頃にスカウトされて事務所に所属していたこともありました。
ただ、当時のファッション雑誌のモデルの身長規定は164cm以上というところが多く、私は身長的にギリギリで、事務所の方針でテレビタレントのお仕事が多くなりました……。
さいわい地上波のレギュラー番組を持たせてもらったりもしたのですが、やっぱり自分の進みたい道とは違うなと思って、3年ほどで辞めてしまいました。
姫さん
そのあいだに美容師の方からヘアショーのモデルの依頼をいただいて、北海道から福岡まで一緒にめぐらせていただいたことがあります。実はそのイベントのスポンサーがホーユーさんだったんです!
モデルやタレントとして活動していたころは仕事の関係で髪型を変えることができなかったので、そのお仕事のときにはじめてヘアカラーをしました。
——芸能事務所を辞めた後はどうしていたのでしょう?
姫さん
もともと詩を書くのが好きで、たくさん書きためていました。自分の書いた詩が歌詞になればいいなと思い、音楽活動に興味を持ち始めました。雑誌でメンバー募集をしていたあるバンドの方に会いに行ったこともあり、その方と組むことにはならなかったのですが、そのときスタジオで出会ったのが現在の主人なんです。
その後、主人と一緒に数年間音楽活動をおこなっていました。プロダクションと契約させていただくなど活躍のチャンスもいただけたのですが、残念ながら数年後には音楽活動からも離れてしまいました。
病気でほとんどが白髪に。
自信を持てなかった自分を変えたきっかけとは
——Instagramaの投稿では、そのころに病気になったこともお話されていましたね。
姫さん
20代の半ばに病気になってしまい、そのストレスから20代後半にはほとんど白髪になってしまったんです。
それ以来ずっと黒染めをしていて、今も後頭部以外は白髪になっています。
そんなとき10年ほど前に、美容師さんから「黒染めをするよりも、ブリーチをして金髪にしたらいいんじゃない? そうすれば白髪も目立たないし」と勧められてブリーチにチャレンジしました。
——初めてのブリーチの感想はどうでしたか?
姫さん
それが、自分から進んで金髪にしたわけではないので、最初の半年間は鏡を見るのもイヤなほど気に入っていなかったんです。もう自分もアラフォーだし、金髪なんて派手な髪型は恥ずかしい、と思ってました。
でも、被写体活動をしているときにフォトグラファーの皆さんから「その金髪が撮りたいんだ」と言ってもらえる機会が少しずつ増えていったんです。
それからだんだん自分の金髪に自信がついてきて、受け入れられるようになりました。
——年齢を気にせずにファッションやヘアカラーを楽しんでいる方だと思っていたので、そこも意外です。なにか考え方が変わったきっかけはあるんでしょうか?
姫さん
病気で白髪になってしまったこと、だからブリーチをしていたことを去年の誕生日にInstagramでカミングアウトしたのですが、フォロワーのみなさんから温かいメッセージをたくさんいただいたんです。
「髪色、すごく似合っています」っていうコメントもたくさんいただきましたし、「私も年齢や髪の毛について悩んでいましたが、姫さんを見つけて稲妻に撃たれたような衝撃を受けました」という言葉もあって……。
みなさんからのメッセージに、本当にたくさんのパワーをもらいました。
私自身が白髪と一緒にファッションや日々を楽しむ様子を発信することで、みなさんにも「歳を取ることを不安に思わなくていい」というメッセージを伝えていければいいな。
そう思えるようになってから、自分の考え方が変わりました。
いただいたコメントは落ち込んだときに眺められるように、一つひとつスクリーンショットで保存しています!
——姫さんのポジティブな発信に勇気づけられている人も多いはずですが、姫さん自身も元気をもらっているんですね。
姫さん
最初は自分のことを分かってもらいたい一心で告白したのですが、フォロワーのみなさんのおかげで「ありのままで良いんだ」と思えるようになりました。
自分以外にも髪の毛や容姿に関して悩んでいる人がたくさんいることをはじめて知りましたし、「本当は悩む必要なんてないんだ」「白髪になったのなら、それを活かしたファッションやヘアスタイルを楽しめば良い」と考えられるようになったんです。
歳を取ることに対しても同じです。
いま、Instagramのアカウントに“歳をとるのが楽しくなる”とキャッチコピーを付けているのですが、時の流れはみんなに平等に訪れるもの。
どうせなら歳を取ることも含めて人生を楽しんだもの勝ちじゃないか、と思えるようになりました。
姫さん
年齢を重ねたくない、キレイでいたいという気持ちは誰もが持っていると思いますが、老いていく事を嘆いたりするより、割り切って受け入れることも大切だと思います。
だから、私はシミやシワもあまり気にしないんです。眉間のシワはあまり良くないけれど、笑いジワはたくさん笑った証拠なので、目尻にシワがある人って好きなんですよね。
——ご自分にとってずっとコンプレックスだったものが周囲から共感を得るきっかけになった、というのは素敵な体験ですね。
姫さん
白髪は恥ずかしくて隠すもの、と感じている人がほとんどだと思います。私もずっとそうでしたから。
だけど、恥ずかしいという気持ちを取り払ってうまく個性として取り入れることができれば、もっと素晴らしい人生が待っていると思うんです。
自分らしく生きていくために
日々のケアも大切に
——同世代と比べて姫さんはファッションの着こなしもすごく若々しいですし、それがとてもよく似合っているように思います。
姫さん
ありがとうございます。同世代のフォロワーの方からも「歳とともに似合わない服が増えた気がして、何を着ていいかわからなくなってしまっていました。でも、姫さんと出会ってから、好きな服を着ていいんだと思えるようになりました」と、メッセージをもらって本当に嬉しかったです。
20代、30代の若い方たちから「私も早く白髪になりたい」や「はやく歳をとって姫さんみたいなファッションをしたい」って言ってもらえたときは、早く歳をとりたいだなんて……とびっくりしましたが、すごく光栄な気持ちになりました。
——ヘアケアや美容について、心がけていることはありますか?
姫さん
普段は紫シャンプー(紫色の色素が配合されたカラーシャンプー)で週2回くらい、白髪の部分を洗いながら染めています。
後ろの黒髪が残っている部分はブリーチしていて、このあいだ美容室で緑のカラーを入れてもらったので、今は紫と金髪と緑のグラデーションになっています。
シミやシワはあまり気にしないとさきほど言いましたが、体型維持に関してはストイックかもしれません。高校生の頃から入浴中のマッサージは続けていますし、ジムにも10年以上通っています。
でもケーキや甘い物が大好きで、チョコレートに関しては毎日欠かさず食べています(笑)。その分普段の食事を抑えるようにしています。
——ヘアスタイルやヘアカラーは変えていますか?
姫さん
数年前までロングヘアで毎月のようにブリーチをしていたので、毎日トリートメントもしっかりしてヘアケアに気をつけていました。
ですが、コロナ禍がきっかけで外出しなくなったことでヘアケアをさぼってしまい、髪の毛が切れてしまって……。それがきっかけで短くせざるを得なくなって、当時は本当にショックでした。
姫さん
ロングヘアだったころは、春夏はブルーの色を乗せたり、秋冬は濃いめのピンクや赤を乗せたりしていました。寒色系の色だとクールな印象になりますし、ピンクは華やかな気持ちにしてくれました。
今の髪もお気に入りですが、いつかまた金髪のロングにしてみたいです。昔の写真を見ているとやっぱりとても好きだなと思えるので。
——はじめて金髪にした時は「鏡を見るのも嫌」という気持ちだったのに、そうやって当時の自分を肯定できるようになったのはとても素敵ですね。
姫さん
それもすべて周りの人が支えてくれて、自信を持たせてくれたおかげです。私自身、根っこはすごくネガティブなのですが、今はすごく毎日が前向きに過ごすことができていますから。
だから今度は同じように悩みを抱えている人が元気になるような発信をして、少しでも恩返ししていきたいと思っています。
白髪のイメージを変えるため
Instagramで発信を続けたい
——好きな服やヘアスタイルを楽しむこともそうだと思いますが、姫さんならではの自己肯定感の高め方はあるんでしょうか?
姫さん
実は私、すごくネガティブだったんです。以前はマイナスなことを言い続けて、主人に怒られたこともあるくらいでした。
でも、主人はスーパーポジティブな性格なんです。どんな場面でも楽しもう、どんな時間も楽しもうという性格なので、一緒にいると前向きな気持ちにさせてくれるんです。
——そんなご主人と一緒に様々な場所で撮影をされていますね。
姫さん
私が友人たちと楽しそうに写真を撮りに行くのを見て、主人も「おもしろそうだな」とカメラを始めたんです。最初は撮る専門で、一緒に映るのは嫌がっていたんですよ。今はノリノリでつきあってくれますけど(笑)。
最初は景色がきれいな場所に行ってポートレートを撮影していましたが、「なんか違うな」って違和感をおぼえるようになったんです。私たちの場合は日常の姿を撮った方が、自分らしい表情や雰囲気が出せるんじゃないか。そう思って、スタイルを変えるようになりました。
主人は「写真を撮るのが好きというよりも、姫と過ごす毎日を残したい」と言ってくれています。ケンカをすることもありますが、お互い趣味が一緒なのは仲良く過ごせているひとつの理由なのかもしれないですね。
——これからはどのような活動をしていきたいですか?
姫さん
これからも日々のライフスタイルやコーディネートを発信して、白髪のイメージを変えていきたいと思います。
また、ありがたいことに最近は企業からご依頼をいただいてPRのお手伝いをさせてもらうことが増えました。ちょうどこの秋にはジュエリーブランドとコラボしたアクセサリーも発売しました。
星や月の形をした希少な天然パールを使っていてすごく可愛いんです。チョーカーは花の形をしています。
姫さん
やっぱり私はファッションが好きなので、ゆくゆくは自分のブランドを立ち上げることができたら良いなと思っていて。その目標を叶えるために、今は少しずつ勉強と準備をしている段階です。
取材を終えて
姫さんとお会いする前は「きっと自信に満ちあふれた人なんだろう」と思っていました。
ですが、実際にお話をしてみると、シャイだけど人前に出るのが好き、ネガティブでも前向きになれるというふうに、一見すると反対の要素が姫さんの中で矛盾せずに存在していて、だからこそ幅広い層から共感を集めているように感じました。
なにより、自己肯定感は生まれつきのものではなく、自分自身のありのままを認めることが出発点。姫さんもコンプレックスだった白髪を肯定できたことで豊かな人生がはじまったように、髪のことで悩んでいる人は今まで考えてもみなかったようなカラーやヘアスタイルに挑戦してみるのもいいかもしれません。
最後に、姫さんの心を明るく華やかにする「COLOR HIME's HEART」を紹介してもらいました。
COLOR HIME'S HEART「好きな服を着て出かけて、写真を撮ること」
しばらく病気で出かけることができなかったこともあって、そのリハビリも兼ねて色々な場所へ旅行して写真を撮ることが、暮らしのなかに彩りを与えてくれます。
最近は出かけた先で「姫さんですよね」と声を掛けてもらえたり、後からメッセージで「今日、姫さんを見かけました」と言ってもらえることが増えたので、気を抜けないところもあります(笑)。でも、気軽に声をかけてもらえると嬉しいです!
写真/殿 @deadball1969
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