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1日で簡単!自宅で子供と楽しめる夏休みの自由研究 染料と顔料ってどう違うの?
2020.08.05
ヘアカラーリング
「テーマがなかなか決まらない…」と夏休みの自由研究に毎年頭を悩ませるご家庭も多いと思います。今年はぜひお子さんと一緒に「布を染める」実験をしてみませんか?
髪を染めたことがあっても、「染めるメカニズム」については案外知らない人も多いのではないでしょうか。身近なコーヒーとココアを使って、染まる仕組みがどう違うのか、この機会に学んでみてください。
*お子さんが実験をする際は、保護者の方が一緒に行ってください。お湯や洗剤を扱う際は、お子さんから目を離さないでください。コーヒーやココアで着衣や室内を汚さないよう、十分ご注意ください。
どんな実験なの?
ヘアカラー研究員の小林紗也さんに実験についてアドバイスしてもらいました。
「インスタントコーヒーとココアをそれぞれお湯に溶かし、布を染める実験です。
布とインスタントコーヒーやココアを準備すれば、あとはご家庭にあるものを使うだけ。1日で行える簡単な実験ですので、ぜひ挑戦してみてくださいね」(小林さん)
用意するものはコレ!
- 木綿の白い布 2枚
- お湯(60℃程度) 200ml
- インスタントコーヒー 10g
- ココア(純ココアが望ましい) 10g
- 布とお湯が入る器 2つ
- 洗濯洗剤 少々
- 割り箸 2本(撹拌棒の代わり)
布を染める実験の手順
(1) インスタントコーヒーとココアをそれぞれ10gずつ器に入れて、60℃のお湯を100ml注ぎ、割り箸でよくかき混ぜる。
お湯でやけどをしないよう、気をつけながらかき混ぜよう。
(2) 布2枚を水で濡らし、(1) が熱いうちに、それぞれの器に1枚ずつ入れる。ときどき割り箸を使ってかき混ぜながら、冷めるまで10分~30分程度待つ。
ときどきかき混ぜ、冷めるまで待とう。
(3) 冷めたのを確認したら、それぞれの器から布を取り出す。まずそのまま絞り、水洗いした後に洗剤を使って手でもみ洗いをする。
染めた布の結果をチェック!
コーヒーを使って染めたものは黄金色に染まるのに対し、ココアを使って染めたものは、あまり染まらない結果となりました。
(左)コーヒーで染めたものは黄金色に染まった。(右)ココアで染めたものは、あまり染まっていない。
なぜコーヒーとココアでは染まり方が違うの?
インスタントコーヒーは水に溶ける性質を持っていて、繊維の内部まで染み込んでいくため色がつきます。
対して、ココアはココアパウダーの表面にカカオバターがコーティングされているので、水に溶けにくい性質を持っています。
そのため繊維の内部までは染み込まず、表面に付着して色がつくので、コーヒーより薄く染まったように見えるのです。※沸騰するほどのお湯を使うとカカオバターが溶けてしまうので注意が必要。
ちなみに水に溶ける状態を「溶解」、溶けずに粒が漂っている状態を「分散」といいます。
「チェックしてみよう!」
(左)コーヒーは透けて見える。(右)ココアは透けて見えない
ココアとコーヒーを薄めて様子を見比べてみると…。
①コーヒーは水に溶けているから透けて見える。
②ココアは水に溶けにくいから透けて見えない。
という結果になりましたね。
このように、コーヒーのように水に溶ける色素を「染料」、ココアのように水に溶けない色素を「顔料」といいます。
同じ布でも、「染料」ではよく染まり、「顔料」では「染料」ほど染まらないことがわかりました。
染料と顔料の違いを写真つきでまとめれば、夏休みの自由研究が完成ですね!
髪を染めるときに使うのは?
ヘアカラーが使っているのは、「染料」です。髪の内部まで色素が浸透するので、シャンプーをしても、きれいな色が長持ちします。
一方、カラースプレーやヘアマスカラなどの一時着色料は水に溶けない「顔料」を使用。
「顔料」が髪の表面にくっついている状態なので、シャンプーで簡単に落とせるため1日だけのおしゃれを楽しめるのです。
染料と顔料の違いをおわかりいただけましたか?
2つの違いを知っておくと、ヘアカラーを楽しむ際のアイテム選びにも役立ちそうですね!
監修
ホーユー株式会社 総合研究所
製品開発第一研究室 研究員
小林 紗也さん
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